MANIA MANIERA(ムーンライダーズ)
1982.12.15 JAPAN RECORD
Kのトランク / 花咲く乙女よ穴を掘れ / 檸檬の季節 / 気球と通信 / バースディ / 工場と微笑
/ ばらと廃物 / 滑車と振子 / 温和な労働者と便利な発電所 / スカーレットの誓い
PCCA-00294
マニアマニエラの話をしましう。
このアルバムの記憶があまょりないのが、ある種僕にとっては特殊なことみたいです。もう20年にもなるんですね!なんと昔は・・・
でも瞳を閉じると走馬灯のよに断片的ではあるけれどあの頃の光景が脳裏に浮かんで 来るんですよ〜〜〜〜〜〜〜(エコー)
晩飯は天宝の特丼が多かったなあ!700回くらいは食べたなあ!赤坂のタムコスタジオで殆どレコーディングしたんだよな!このアルバムってたしか、年を跨いでいたよな記憶があるなあ!新生キングクリムゾンを浅草に聴きに入った記憶がありまするぞ・・・
たしか、徳間ジャパンレコードに鳴りもの入りでクラウンから移籍をするのです。 心機一転、いかしたアルバムを作ろうってんで、新しい時代の夜明けで行こう!!
と、コンピューター(といっても今見たら笑いそうなやつ)を全面的に導入する。 「バラがなくちゃ生きていけない」というイメージも掲げられた。産業革命とか構成主義とかいろいろなイメージが飛び交った時期であります。
あと実験に次ぐ実験!!
トランシーバーで歌入れしたり(気球と通信)
ループを使って何小節かに一回ドラムとリズムが合うようにしたり(レモンの季節)
一台のピアノの回りに全員集まってピアノを叩いてパーカスにしたり、(バースデイ)
10人くらいで同じフレーズをギターで弾いたり、(工場と微笑み)
一小節ずつ音色を替えたギターソロをしたり、(ばらと廃物)
パンツ一丁でガラス板のうえに乗っかって、スニーカーをとずらしながらキュッキュっと音をたて、それを録音したり、(温和な労働者)
改造ギターを叩いたり、ギターのうえにおもちゃの車走らせたり、
逆テンポで同期をしたり、 (バースデイ)・・・
ベーシックなリズムはテクノ、コード楽器は生ギターでかなりアコースティックな
サウンド、それにシンセのシークエンスが重なり、橿渕君はドラム缶やガラスをドラムにするわ、今聞き返すとかなり改造ギターが活躍しとるなあ!この改造ギターは
今のギタギドラの母体となっているのでありまする。
それと自分がムーンライダーズ用に曲を書き、皆で演奏してみて、自分の頭のなかにあったイメージと実際の演奏のギャップに悩まされた時期でもあります。たとえ自分の曲であっても、公共の場に差し出しているのだから、自分の手許を離れて一人歩きしいくのは当然、と分かっているのであるが、なぜか頭と体がそのように動いて行かないのでありまする。まだまだ子供だった訳だ。(笑)
糸井重里さん、 藤真利子さんや佐藤奈々子さん佐伯健三さん、太田螢一さん
などなどこの頃からバンド外の多才な方々とコミュニケーショナルな関係を持ち出すのである。
ただこのアルバムは、出来上がったその瞬間に徳間ジャパンから拒否されるのだ。今の日本にはこのアルバムは存在する場所がない!というのである。要は売れないんだよこんなもん!!と言われたのであります。すると我々はここで落ち込んだらいけんぞ!ということで「はい。ではもう一枚作ってみまァ〜すってんで「青空百景」を完成させるのであります。これはファンの方々みなさんに好評のアルバムになって行く結果となったのであります。
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