MODERN MUSIC(ムーンライダーズ) モダンミュージックの頃:アドリブ回想 1.あのジャケットをデザインしたのはカナヤくんという人でありました。すげえカッコヨカッタのだ。年末のパーテーとかにはナチスの格好してきてポリスかなんかに合わせて踊るのだ。それが決まりまくっとってなんともいえずアコガレーであったのだ。僕はどう踊ってもシタマチ−というか、向こう側にはいつも御神輿が見えてしまう。その差は大きいと思いながら、まいっかとも思っていた。 2.「ヴァージニティ」をシングル化しようということで、ついては間奏をかっちいく録り直そう!とかいっちゃって朝すっげえ早く、カルデサックのうえのスタジオでギター入れ直したのを思いだしました。1〜2時間のできごとだったけど、今きくとすっごいシュールなソロである。一見なんでもないけど、よ〜く聴くとえらいことになってる凄さのあるソロ。とても社会的な人が、実は強度の精神異常者であった時のような感じ。僕は大概のソロは1〜2テイクですが、これは結構くり返した思いでがありりりんす。 … ニューウェイヴな発想はここからはじまる。ヌーヴェルヴァーグがリリースされてから序々にその気運が盛り上がり、ふと気がつくと全員髪をみじかくカットし、 もみあげも短く斜めになるのだ。ラバーソールを履き、髪をツンツンにしてサングラスをかける。 いろんなニューウェイヴなギグに出演。楽しかったなあ。ナイロン100%に飲みにいったりカルデサックを根城にしだす。僕の曲はディスコボーイ。おまけ程度に入っている。ヴィデオ・ボーイ/グルーピーに気をつけろ/ヴァージニティ/モダーン・ラヴァーズ/バック・シート/鬼火あたりは今やっても色褪せないだろう。 我々はよく日本の歌謡界に真似された。できたての焼き芋を手にはいれるのだが… |
カメラ=万年筆 CAMERA EGAL STYLO (ムーンライダーズ) アヴァンギャルドポップ、実験ポップなどを掲げながら、アルバミングしツアーなどもした頃。この頃のイヴェンターはキョードー東京の成田さん。ぼくの思い出では、ちょっと渡辺マサルにしているシャイなロングトーラー。去年の2000年9月17の小岩井農場の時にオリジナルラヴについていらしたので、その時にひさしぶりぶりっと肩を抱き合い再会を喜んだ。20年ちかく経つのに全然変わっていないのに、感動。ふと気がつくと全然横溝にずれちゃってゴメナサイ。 よく佐藤奈々子しゃんやシネマや立花ハジメくんやいろんな人がスタジオに遊びに来てくれてコーラスなんかもシテくれちゃったりして楽しかったなあ、もう。作品全体の出来はもちろん、一回一回のダビング行為に意味を持たせることに熱心だったなあ!ムーンライダーズのアヴァンギャルド行為は「マニアマニエラ」で一応完成というか到達感を僕は持つがこれは「マニ」への序章的で、「マニ」よりポップだと単純に思ってしまいます。スタジオでの実験癖はこの頃からスピードを増していくのである。サージェントペパーズが「マニエラ」で「カメラ=万年筆」がリヴォルヴァーというようなことが言えると思っちゃった。 この頃、フォーリズムでよく堀内孝雄の「ザコンサート」という夜中の番組のハウスバンドをやっていて、月いちで、TBSに通ってたなあ!とにかく、一日中いるのです。あさ10時くらいからよるの9時10時までいるんです。ゲストとハウスバンドは楽屋が一緒でよくいろんな人と話をしたもんだ。憂歌団でしょ、クリスタルキングでしょ、加藤和彦さんでしょ、バウワウでしょ、とにかく、ジャンル関係なかったですよん。あ!さらに横道にずれると、そんなこんなで黒柳徹子と久米宏の「ザ・ベストテン」に出るんよ!ベーヤンが曲を書いて詞は忘れましたが、滝なんとか君という男の子が歌ってヒットした、確か「南回帰線」じゃなかったかなあ?その曲の伴奏でテレビングしたのです。当然間奏で僕のソロになるわけですが、そこで今までのテレビ史上ではなかったような大アヴァンギャルドなソロを弾くの。そうしたら、「なんだ、あのギタリストは!もっと真面目にやらせろ!」って翌日テレビ局からすげえ怒られたことがあります。でも話しの解る人は素晴らしいと言ってくれたんだけどね!えっへっへっへ。 当時はバンマスが岡田さんぽかったから岡田さんが間にはいって御苦労かけちゃったみたいで反省してます。岡田さんごめんなさいでした。 アヴァンギャルドなソロといえば、小林克也さんのナンバーワンバンドとムーンライダーズの対バンの時だったかなあ?アンコールでギタリストが順番に出て言ってソロをやるという企画があったんだけど、世良公則さんとか鮎川さん(シナロケ)たちは普通にソロるんだけど、僕はホウキ(掃除に使うもの)と植木鉢を持って出て行って踊り踊った思い出があります。いかに反音楽であるかが重要だった頃なんだな。 だいぶ逸れましたが、「カメマン」はベーシックトラックを伊豆のキティスタジオで録音し、東京のサウンドインなどでダビングされた秀作であるのです。「彼女について…」の間奏が好きです。 |
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